団体名

芭蕉繊維研究会

団体名英語表記

Fukuoka Society for Study of Basho(Wild Banana) Fiber

住所

〒894-0004 奄美市名瀬鳩浜町215株式会社みなみ紬内

代表者名

南 修郎

実務担当者名

鈴木 進一

電話

0997-53-1373

ファックス

0997-53-1290

E-mailアドレス

minamitsuugi@po2.synapse.ne.jp

設立年月日

2019年5月29日

会員数

19(内訳:団体11、個人8)

設立経緯

奄美群島には、かつて糸芭蕉から芭蕉繊維を取出し、それを芭蕉布として利用してきた長い歴史がある。しかし、明治の時代になり、安い綿が輸入されはじめると芭蕉繊維の利用は減少し、島内外の一般の人がみることができる芭蕉布は奄美群島の自治体の教育委員会が保存しているものになっている。現在もバシャ山と呼ばれる糸芭蕉の群生地は各地に散在しているが、それらのうち奄美群島で糸芭蕉を利用しているのは極めて限られている。芭蕉布は現在沖縄の喜如嘉が有名になっているが、かつて奄美大島から芭蕉繊維を宇検村名柄から移出していたのであり、それを知る島民も極めて少なくなっている。
これまで奄美大島では、何度か芭蕉布再生計画が立ち上がり、自治体が予算をつけて具体化を図ろうとしてきたが、芭蕉生産コストを試算すると事業化することが困難なことから、芭蕉糸づくりの「体験」で終わっているのが実情である。良質の原料が安く安定的に調達できなければ、原料を利用した織物づくりを含む商品化が困難なためである。
現在、芭蕉繊維を商業的に生産している国は中国しかないが、中国では環境規制の強化と人件費の高騰により、生産量は減少しつつある。加えて、麻などに比べて芭蕉の知名度そのものが低く、需要は低迷しており、奄美大島を含めた琉球列島に芭蕉布がつくられ、島民は芭蕉布を利用していたことそのものが歴史の中に埋もれつつあると懸念される。
そのような中で、我が国では2025年に「SDGsが実現化する社会」をテーマに大阪万博が開催されることが昨年決定した。途上国のSDGsニーズに応える形で糸芭蕉を栽培し、回収した芭蕉繊維を奄美大島で利用することができれば、新たな商品開発が進むであろう。
本研究会は、奄美群島に受け継がれている糸芭蕉の栽培管理や繊維回収技術などを利用し途上国のSDGsの目標達成に寄与しつつ、途上国で生産された芭蕉繊維の利用を奄美大島をはじめとする奄美群島で利用する可能性を具体的に研究し、奄美群島の歴史、文化、技術などを大阪万博で効果的に発信するために、奄美大島内外の知恵や経験を集めるために2019年5月29日に設立総会を開催し、参加者の賛同を得て設立したものである。

団体の活動目的

本研究会は、次に掲げる研究又は検討を行うため、会員相互の共同研究活動を推進するプラットホームを提供することを目的とする。
1) 糸芭蕉の栽培管理システム
2) 糸芭蕉から繊維を回収する技術システム
3) 回収した繊維による製品開発
4) 本活動で生産した芭蕉繊維製品の効果的なPR方法

過去の主な事業

  1. 2019年5月29日 芭蕉繊維研究会設立総会及びミャンマーからの伝統的織物に係るキュレーターを招へいした勉強会
  2. 2019年9月3日~11日 ミャンマー現地調査
  3. 2019年9月30日 2020年度日本万国博覧会記念基金の公募に対し「ミャンマーにおける糸芭蕉の利用をとおした農民の所得向上と相互の伝統的織物産業の活性化に向けた交流事業」で応募
  4. 2020年1月11日~12日 糸芭蕉からの繊維回収・利用ワークショップの開催
  5. 2020年3月18日 公益財団法人関西・大阪21世紀協会から2020年度日本万国博覧会記念基金助成事業の採択通知

参加への手引き

芭蕉繊維研究会の活動目的に賛同される奄美群島内外の団体及び個人は、どなたでも参加することができます。本会に入会しようとする人は、入会申込書を会長に提出いただき、役員会の承認を得て会員になっていただきますが、まずは研究会あてに電話やメールなどでお問い合わせください。

講師派遣について

可能

可能な場合の講演テーマ
  1. 芭蕉繊維とSDGs
  2. 奄美とミャンマーの伝統的な織物産業の現状と課題
  3. その他(奄美大島に関すること)