第24期NGOカレッジレポート(第2回:2月22日)
2025年2月15日に第24期NGOカレッジ『身近なものから「知る」「学ぶ」国際協力』の第2回「スマホから知る「ハーブティーから知る「カンボジアで雇用が生まれるしくみ」」を福岡市天神のふれあい貸し会議室で開催しました。
第一回と同様にたくさんの方にご参加いただきました。本当にありがとうございました。
第2回も前回と同様に現在FUNNでインターンシップとして関わっており、今回のNGOカレッジの運営にも携わっている大学生の笠原さん、加藤さんが開催レポートまとめたのでご紹介します。
① 笠原健さん
インターン生としてFUNNで活動させていただいております、笠原健と申します。今回は前回に引き続き、NGOカレッジ第二回『ハーブティーから知る「カンボジアで雇用が生まれるしくみ」』に参加させていただきました。ここでは、導入として自分たちインターン生が発表した後、西口さんにカンボジアよりはるばるお越しいただき、お話を伺いました。参加者の中にも実際にカンボジアへの渡航経験のある方がいらっしゃっていて、両者から興味深いお話をお聞き出来て非常に実りのある会になったと思います。また、西口さんの作成したハーブティーを実際に嗜みながら聴講するという形式であったため、産地であるカンボジアに思いを寄せながら味わうことが出来ました。ハーブティーに合わせてインターン生である自分と加藤さんの二人が中心となって選出したお菓子を提供させていただきましたが、ハーブティーとよく合うものを選ぶことが出来てうれしかったです。
発表の際は自分がフェアトレードの仕組みやフェアトレード商品の販売状況について簡単に説明した後、加藤さんに用意したお菓子の選定理由を話してもらいました。自分は今まで学校以外の場でスライドを作って発表したことがほとんどなく、自分の話すことがしっかり伝わるかどうか直前まで不安でした。本番でも言い間違えをしてしまうなど万全な発表にすることは出来ませんでしたが、参加者の方々は皆集中して自分の説明を聞いてくださったため安心して発表を終えることが出来ました。口頭での説明は十分ではありませんでしたが、論理展開に従ってスライド・文字の色を変えたり、スライドの枚数を多くして繋がりを分かりやすくするなど、発表資料に対する工夫はうまく伝わったため良かったと思います。
西口さんのお話では、カンボジアでのハーブティー事業がどのようであったか詳細に知ることが出来ました。西口さんは初め、カンボジアの地方での経済状況を改善し良質な医療を届けたいという思いで活動をしておられたそうです。しかしながら、現地ではもともと地域を支えるような産業が無く、経済を発展させるためのトリガーがない状態でした。そこで、恒常的に収入を得られる産業を作るべく奔走した結果、現地に自生しているハーブを加工してハーブティーとして売り出せることが判明したことから、ハーブティーの製造・販売の事業を実際に立ち上げるに至ったとおっしゃっていました。西口さんが主導となって作り上げたハーブティーにはカンボジア産のショウガ、ハイビスカスといった様々なハーブがふんだんに用いられており、それらを丁寧に乾燥させて一つのティーバッグに混ぜ合わせることで香り豊かで味わい深いものになっていました。西口さんがハーブティーの製造を始めて一年後には事業が軌道に乗り始めて、「学校ハーブ園プログラム」といったプロジェクトが始動しました。これは現地の学校をベースとして、教職員や生徒の協力を得ながらハーブティーの作成を拡大するという計画です。これによって経済状況が好転し学校を中心として緑化・ごみ処理システムの整備が進んで涼しくて過ごしやすい空間が広がりました。また、身近に自生している薬草・薬木がハーブとして売り出せるものになるということが広く知れ渡り、現地民の希望にもなったそうです。ハーブティーの製造ではハーブの栽培、乾燥、そしてティーバッグへの封入が主な作業となります。これらの作業は女性や高齢者でも十分にこなすことが出来、出稼ぎに行っていて男性が少ない現地でも十分な人員を確保することが出来るという点でも画期的でした。ハーブティーの製造を始めて3年以上が経つと現地の女性が積極的に事業に携わるようになり、地方を支える一つの産業として大きな役割を果たすようになりました。
こうして西口さんはカンボジアで自生しているハーブを利用することで、現地の経済を好転させることを目標として活動し多くの結果を残してこられましたが、現在に至るまでの間はすべてが順調に進んだわけではありませんでした。ハーブを栽培した後の乾燥作業は少し難易度が高く、「学校ハーブ園プログラム」の際は生徒に協力してもらうことは難しかったといいます。また、西口さんの関わった地域ではハーブティーを飲む習慣がなかったため、“ハーブティーとは何か“ということを現地民の方々に理解してもらうことも難しかったとおっしゃっていました。事業を進めるうえで西口さんは様々な困難に直面しながらも、カンボジアの人々のために諦めることなくハーブティーを作り続けてきました。
世界的な影響力を持つ企業の中でも、森林を切り開いて工場や農地を設置する者や、交渉力が乏しいことに付け入って生産者の不利になるような取引を行う者などが未だにいくつも存在しています。一方、少しずつではありますが環境や生産者のためを想う企業は増え続けています。自分は企業のような影響力は持ち合わせていませんが、フェアトレードやそれに類する認証を受けた商品を積極的に購入することで微力ながら持続可能な社会の形成に資していきたいと思います。
② 加藤渚さん
インターン生として参加させていただいている加藤渚です。
第 24 回 NGO カレッジ『身近なものから「知る」「学ぶ」国際協力』の第 2 回のテーマは『ハーブティーから知る「カンボジアで雇用が生まれるしくみ」 』でした。
今回はデメテルハーブティー代表の西口さんに来ていただき、ハーブティーの入れ方からカンボジアで雇用を生んだ仕組みまで様々なお話をしていただきました。2 回目の参加ではありましたが、
今回はワークショップの 1 つとしてインターン生 2 人でフェアトレードについてのプレゼンをさせていただきました。インターン活動において初めてのプレゼンだったため至らない点もありましたが、
とても貴重な経験ができました。
初めに私を含むインターン生 2 人でフェアトレード商品についてのプレゼンをさせていただきました。 まずフェアトレードについて、 次にフェアトレード商品の販売状況と類する認証マークについて、最後にハーブティーとともに提供させていただいたフェアトレードのお菓子の選定理由をプレゼンしました。フェアトレードについてや該当する商品を知ってはいたけど実際に食べたことがなかったり、身近なお店にどのくらい販売されているかを知らなかったりなど今回のプレゼンを通して新しい学びや体験をすることができました。
実際に 2 人でどのくらい販売されているか、コンビニエンスストアを 6 件、カルディコーヒーファームを 2 件調査しました。その結果、フェアトレードの商品はほとんど見かけませんでしたがそれに類する認証マークがついた商品はいくつか見つけることができました。熱帯雨林を中心に森林や生態系の保護を目指して活動するレインフォレスト・アライアンスや、 カカオ生産者の生活とコミュニティを改善し、 子供たちと自然を保護することを目指して活動するココアホライズンなども認証マークを見つけました。フェアトレード商品だけでなくそれに類する認証マークがついた商品を買うことで、地球の環境や途上国の人々を守ることに寄与することできることを学びました。 また、 今回ハーブティーのお供として提供したフェアトレードの商品はマックスバリューのチョコレート、カルディコーヒーファームの 70%のチョコレート、 PeopleTree のドライマンゴーを提供させていただきました。
これらの選定理由として身近にあること、 様々な種類があること、 すべての工程で環境に配慮された商品があることを知ってほしいという理由からこれらの商品を選定しました。調査から選定まで 2 人でさせていただいたことでフェアトレードについてや調査方法などたくさんの学びを得ることができた貴重な経験をさせていただきました。
後半のワークショップでは初めに西口さんから持ってきてくださったハーブティー説明や入れ方などをレクチャーしていただきました。 その後、 西口さんからデメテルハーブティーを通してカンボジアで雇用を生むしくみをお話していただきました。まずデメテルハーブティーとはカンボジア産の原材料を使用したハーブティーのことで、生産者からお客様まで、 関わる人すべてが笑顔になるものづくりを理念として活動されています。 私が西口さんのお話の中で特に印象に残ったことは、 学校ハーブ園プログラムについてです。 まず学校ハーブ園プログラとは学校の美化緑化の取り組みを行ったりハーブの栽培を通じて、伝統文化について知ったり、ハーブ作りで生まれた収益で学校の運営費として補填するという活動です。タイとカンボジアの国境にある学校は建物の建設費用は国からの資金で賄われたが、 建設の資材が置いたままになっていたり、 ごみの収集システムがないため裏庭にごみを溜めていっぱいになったらガソリンをかけて燃やしたりなど資金不足や人材不足からしっかりとした制度が設定されていない現状があります。そのような状況を少しでも救うために慈善事業としてハーブティーのハーブを学校で育ててもらい、できたハーブを買い取ることで学校の費用として補填できるという双方にとって良い事業をされています。学校
ハーブ園プログラムで学んだハーブ栽培の知識を生徒たちは家でも生かすことで家のお手伝いになっているという 1 度限りだけでなく持続的な学びになっていることを知ることが
できました。 その場しのぎだけを提供するのでなく、 学んだ本人たちが持続的に生活できる術を身に着けてもらうことが発展には必要不可欠であることを学びました。
第 2 回の NGO カレッジを通して、プレゼンをさせていただいたり実際に商品の入れ方を教えていただいたり、 体験を通して学ぶことができました。 プレゼンでは調査しても思うような結果が得られなかったり、 1 度選定した商品が届かなかったり少しトラブルがあったものの結果としては来てくださった参加者の方に良かったという良い評価を頂けたため頑張りを評価されてとても喜ばしく思いました。 今回の反省を活かして、 次回の NGO カレッジでは参加者の皆さんに来てよかったと思っていただけるように精進します。
さいごに
第2回では、普段カンボジアで活動されている西口 三千恵さんにお越しいただき、カンボジアでの取り組みについてお話をお伺いしながら西口さんが代表を務められるデメテルハーブティーの美味しいカンボジアのハーブティーとインターン生の笠原さん、加藤さんが選んでくれたフェアトレードのお菓子を味わいながら開催しました。ぜひこの機会をきっかけ身近にあるフェアトレード商品をきっかけに世界とのつながりを感じてもらえたらと思っております。
西口さんが営んでいるデメテルハーブティーはインターネットからでも商品購入できます。また最新情報をInstagramで発信しておりますのでぜひチェックしてみてください!!
NGOカレッジは今週末番外編と第三回が開催予定です。まだまだ申し込み可能ですので、少しでも興味のある方はご参加ください!!
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