第21期NGOカレッジ学生ボランティアレポート①

2022年2月19日、26日、3月5日の3日間に渡り開催しました第21期NGOカレッジ。
「#平和のつくり方」をテーマに世界中で平和構築のための取り組みや日本に住む私たちができることを一緒に考える機会となりました。
今回のNGOカレッジでは7名の大学生ボランティアの方と一緒に企画運営を行ってきました。そんな学生ボランティアさんから実際に関わってみてどうだったかレポートとしてまとめてくださいました!

学生一人ひとりが感じた想い、そして「平和のつくり方」についてご覧ください。

今回は3名の体験レポートをご紹介します

1. 奥羽絵理奈さん

第一回目の林先生の講話では、援助にブームのようなものがあるということが印象的でした。その時々の状況によって各国の援助が一気に退散したり、逆に多く報道されて注目されることで援助がたくさんきたりすることに対して、現地の人の立場になって考えると援助を継続することが一番の理想なのではないかと思いました。現地で援助活動を行う人の安全を守ることも大切だと思うため、両者のことを配慮して援助を継続させることの難しさを考えることができました。

また、私が継続して行える援助は何かと考えた時にパッと思いつくものがありませんでした。私は自分の興味や深めたいことがまだ分からないため、これから幅広く興味をもち自分の専門性を見つけていきたいと思いました。

 第二回目の今井さんのお話では、敵や脅威を作ることが戦争に繋がっており、争いは自分たちの心の中に存在するということが新たな発見でした。そのため、情報を得る際や何か考える際には、何が良い悪いといった偏りのある考え方にならないように注意したいと思いました。

 第三回目の木口さんの講話ではODAなどの開発援助が国軍の軍事費に使われている可能性もあるということを知り、援助をするだけでなく、援助をした後まで責任をもって注意することが大切だと思いました。もちろんODAは本当に援助として役に立っていることがほとんどだとお聞きしたので、今後も開発援助を続けていくことが大切だと思います。そのため、私たちは自分たちが納税したお金の使われ方まで責任をもって知るように心がけなければいけないと思いました。

 全体を通してわたしたちに何ができるかを考え、私が考えたのは「互いを知る」ことだと思いました。今井さんが話されていた、北朝鮮と日本の学生が交流した時に、お互い国など関係なく接して交流を深められたことを知り、相手のことを知ろうとすることが大切なのではないかと思いました。違う国や団体を超えて相手のことを知ることで、相手の背景を理解し、争いが起きる前に一歩踏みとどまることができると思います。価値観を変えることは難しいと思いますが、多くの情報と様々な立場からの情報を得ることで互いを知る努力をしていきたいと思いました。

 イベントの運営側を経験してみて、発言しやすい雰囲気を作ることや言われたことを同じ解釈で全体に伝えることの難しさを学びました。一度経験し毎回反省をすることで、次回改善し成長出来た部分も感じられて運営側をすることも楽しく感じることができました。まだまだ経験不足な部分が多いので、このような機会にこれからも積極的に参加していきたいと思いました。

2. 原野公太さん

  • はじめに

 2022年2月19日土曜日に行われたNGOカレッジ第1回目では、福岡大学商学部貿易学科准教授の林裕先生と元ペシャワール会PMS支援室職員の浦田菖平さんにお話をしていただきました。

林先生は「平和構築と開発援助に関わる~アフガニスタンを事例として~」というタイトルのもと、アフガニスタンで行われてきた平和構築や開発援助は何だったのか、農村の人々にとってはそのような平和構築や開発援助はどうだったのか、市民一人一人はどのように関われるのか、などについてお話していただき、浦田さんは、ペシャワール会PMS支援室に所属してからの、アフガニスタンでの状況や現地に対する思いを話していただきました。

 お話していただいた中で、僕が感じたこと、そして平和をつくるために私たち市民にできることは何かを述べさせていただこうと思います。

  • 林先生のお話から

 林先生がお話しいただいた中で、印象に残ったお話が2つありました。

1つ目は、アフガニスタンが本当に援助を必要としていた時に、私たちはそこにいたのか?というお話の中で聞いた、先進国にとってその地域が有名だからなどという理由で援助をしていては、被援助国にとっては傲慢に思えてくるということでした。有名だからその地域を援助するのではなく、しっかりと情報を集めて判断してから援助する必要があり、また、林先生が最後の方でおっしゃっていただいたように、他国を「支える意思」を表明する必要があると感じました。

 2つ目は、地雷、不発弾の現地調査、地方有力者の会合に参加、社会復帰事業実施といったことを自分たち自身ができるようにするためには言語能力や専門のスキル等を今現在のこのコロナ禍にできるようにしておくべきだというお話でした。コロナ禍でできないことが出てきた一方で、家に滞在する時間も増えていると思うので、その時間を有効に使ってそういったことが少しでもできるようにしておくべきだと感じました。

  • 浦田さんのお話から

 浦田さんには主にペシャワール会PMS支援室に所属していた時の活動、現地に対する思い、そしてペシャワール会の現地代表でありパキスタンやアフガニスタンで医療活動に従事された中村哲さんについてもお話していただきました。

お話を聞いて感じたこととしては、行動することの大切さと人を助けることで自分に返ってくるものでした。浦田さん自身、学生時代に海外ワークキャンプを3回経験されており、経験した中で、ものすごくいい思いをすることができたとおっしゃっていました。ですので、自分が良いと思ったことは、学生時代にためらいなくチャレンジするべきだと感じました。

また、中村哲さんの話に関しては、浦田さん自身、自分よりも数十倍すごいことをしていた方だとおっしゃっていたので、僕自身も少しでもいいから、途上国の人々へ貢献できる人間になりたいと感じました。

  • 平和をつくるために私たちにできること

 第1回NGOカレッジを通して、僕が平和をつくるために私たちにできると思うことは、常に情報を集め、的確に判断して、行動することだと思いました。平和を創造するためには、まず自分たちの当たり前を捨てなければなりません。そのことは僕自身、去年FUNNでインターンシップに行った時に学んだことです。途上国の人たちは私たちのように毎日、水、食料、電気といった生活必需品や教育などに対して何も心配せずに生活を送っているわけではありません。川へ水を補給しなければならない為に学校に遅刻することが当たり前であったり、違う年齢の人たちとクラスメイトになるのが当たり前だったりなど、全く日本とは違う生活を送っており、その生活はとても大変なものです。そういったように、まずは自分たちが当たり前だと思っていることは当たり前ではないという意識を持って、様々な情報を収集し、本当に援助するべきか、どのくらい援助するべきか、何を援助してあげるべきかなどの情報判断をした上で、思うだけに絶対に立ち止まらず、判断に基づいた行動を必ず行うことで平和が構築されていくと思います。自分自身、その過程を意識しながら今後生活をしていきたいと思います。

3.  鈴木真優さん

私が参加した第2回NGOカレッジでは、平和をつくるために私たちは「興味をもち、調べる」ことが重要なのではないかと考えました。その理由として今回は今井さんと柴田さんのお話を聞きましたが、そこで特に今井さんのお話でアメリカ的な価値観だけでなく多面的に考えることが必要だと学んだからです。ブレイクアウトルームでも実際に事実はひとつではないから多面的に見る必要があるという話になりました。しかし一方で多面的にみるという行為自体が難しいものではないかという意見もありました。特にNGOのような現地の活動を行っていない人からしたら、新聞やネットなどの限られた情報網しかなく、またそれらの情報のなかには中立的とは言えない報道の仕方をしているだろうものもあるからです。そこで一つのメディアのみを鵜呑みにするのではなく、複数のメディアから情報を得ることがこの問題を解決するのではないかとおもいました。

また今回のNGOカレッジに参加してメディアの影響力は良くも悪くも大きいと感じました。例えばタリバンについて以前私は、マララさんを殺そうとした残虐な集団というイメージを持っていました。しかしやはりタリバンが続いてるのはこのような背景だけでなく、よい背景もあるからだとお話から感じました。このような例からメディアは報道の仕方によってはヘイトを生み国際関係に影響を及ぼすことも十分にあるという怖さを持ち合わせているのだと感じました。

次に今回司会を担当して、時間を意識して参加者にお題について聞くことが難しいと感じました。私の場合一人のお話をやめさせるタイミングや、優しくやめさせるように促すということに慣れてなくて苦手だと痛感しました。そこでこの失敗を活かし次はみんな均等に話せるようなファシリテーションをしようと思いました。