第21期NGOカレッジ学生ボランティアレポート②

2022年2月19日、26日、3月5日の3日間に渡り開催しました第21期NGOカレッジ。
「#平和のつくり方」をテーマに世界中で平和構築のための取り組みや日本に住む私たちができることを一緒に考える機会となりました。
今回のNGOカレッジでは7名の大学生ボランティアの方と一緒に企画運営を行ってきました。そんな学生ボランティアさんから実際に関わってみてどうだったかレポートとしてまとめてくださいました!

学生一人ひとりが感じた想い、そして「平和のつくり方」についてご覧ください。

今回は4名の体験レポートをご紹介します。

① 中島大和さん

第2回目のNGOカレッジでは、私は、前回はファシリテーターとして参加したが、今回は書記として参加させてもらった。個人的に書記という役回りに対して苦手意識がずっとあり、これまでにも何度か書記をする機会はあったのだが、しようとは思わなかった。しかし、いつまでも苦手なことから逃げてばかりいては一生できるようにはならないという思いは抱いていたため、今回は苦手と向き合ういい機会であった。実際にやってみるとそこまで難しい事ではなかったが、全体のルームで共有する際、瞬時に内容をまとめて参加者が容易に理解できるように発表する事はできなかった。素早く要約できる力は社会人になったときに必要となる要素であると思う。インターン期間はまだ残っている。インターンやボランティアを一緒にしている学生やFUNNの皆さんの技術をまねして、うまく、そして早く、話をまとめることができるようになりたい。

 内容に関しては、固定観念にとらわれないことが大事であるという今井氏の意図をしっかりくんだ。社会にはいろんな情報が飛び交っている。正しい情報も間違っている情報もある。我々はその情報のひとつに知らぬ間にとりつかれ、知らぬ間に固定観念を形成していると私は考える。固定観念の恐ろしいポイントは自分では気がつけない点にあると思う。私は最近人と関わる機会が増え、その中で、社会や政策などの話をする機会が増えたのだが、会話をしていくことで自分の中には固定観念があって、それを正義だと思い込み、他の選択肢を探そうとしていないということに気づかされる。意見を共有する事は大切であると話を聞いた後思った。また、実際に現地に行ってみないことには真実にはたどり着くことはできないということもおっしゃられていた。まさに百聞は一見に如かず。しかし、NGO団体に関係のない人達にとっては実際に現地に赴いて現地の人と会話をする事は困難である。Zoomのようなオンラインツールを活用して、現地の人と関わる機会が提供され、その機会を活用するだけでも、真実に近づけるかもしれない。とにかく、ニュースを鵜呑みにするのではなく、批判的な目を持って、自分の頭でしっかり考えて、核心にせまりたい。

 私たちは計3回のNGOカレッジに参加しながら、“平和のつくり方”について考えてきた。私は第3回でFIWCさんもおっしゃられていたように、笑顔が平和作りの要素の一つであると考える。“LOVE&PEACE”ならぬ “LAUGH&PEACEだ。笑顔を見ると安心感を覚えることは多い。初対面の人でも、苦手な人でも、その人が笑顔であれば緊張が一気にほぐれ、親しくなることができる。言葉が通じなくても、笑顔は通じる。笑顔は世界をつなぐ架け橋のようなものだ。戦争をしている両国のトップが一緒の席で笑い合えば、憎み合っていたことなど忘れるのではないのか。戦争のない平和な世が訪れ得るのではないのか。私が考える平和作りのもう一つの要素は苦手な人とは距離を置くことであると思う。誰しも1人くらいは顔も見たくないくらい憎い人がいると思う。そのような人に対して攻撃を仕掛ける、これを置き換えると、滅ぼしたい国に攻撃を仕掛けることになる。戦争の始まりだ。とすると、そのような憎い存在をないものとして生活すれば戦争などおこらず、また、苦手な人と関わることなく、平和な日々を送る事ができるのではないか。こんなふうにうまくいくとは思わないが。まとめると、笑顔という架け橋で人とつながり、それでもどうしてもわかり合えそうにない場合にのみ距離を置きながら生活することが平和へに繋がるのではないかと私は思う。

② 南郷杏奈さん

第2回目のテーマは「多面的な視点で平和を考える」でした。講師のお話も参加者同士の意見交換も、メディア報道の受け取り方に関して焦点が当てられていた印象です。JVC代表理事の今井さんのお話からは、メディアが「悪」として報道する内容とは違った面が垣間見えました。例えば、タリバン政権に関することです。メディアは実際に起きたことの一部しか報道せず、大虐殺や破壊行為など起きなかったことは報道していません。現地の人でタリバンの権力掌握で治安が良くなったと言う方もいらっしゃるそうです。私はこの話を聞いて純粋に驚きました。日々報道を追う中で、その内容に疑問を抱くことはほぼありません。ましてや報道されていないことを考えることもありません。物事を様々な角度から見ることが如何に難しいか改めて実感しました。

 また、地球市民の会の柴田さんからは、ミャンマーでの支援事業に関してお話し頂きました。循環型農業の普及、インフラ整備などの地域開発、学校建設や奨学金の支給といった教育支援、植林や啓発活動の環境保全、国を超えての文化交流など、現地での支援と言っても様々な種類があると知りました。その中でも、地域住民主導を重視していること、支援している側も学ぶことが多いこと、色々な話題での話し合いを大切にしていることなど、単なる情報からは分からない事業の裏側について学べてよかったです。

 情報化社会の現代では、誰もが多様なツールから情報を得られます。しかしそれが嘘の情報である場合、誤った先入観のもとで物事を判断する危険性が生じます。意見が対立し、また誤解が生じると、それを正そうとするのが人の心理ではないでしょうか。そのうえで、「平和のために私たちができること」とは、第一に“真実”を知ることだと考えます。多くの“事実”がある中でその背景にあるもの、例えば歴史や行動の動機、情報源などを理解することです。そのため、私自身メディア報道との付き合い方を改める必要があると強く思いました。

そして、第二に自分の考えや得た情報を他の人へ伝えることが大切だと思います。様々な人と対話をすることで、答え合わせになったり、自分とは異なる考えに触れたりして視点の多角化が進むと思いました。その点、本イベントではとても有意義な時間を過ごせたと感じます。また、誰かに伝えることで微力ながら「関心」を広げることも出来ると思いました。現地に赴き支援することは容易でないにしろ、日本に居てもできることを、小さなことからでも実行して継続していこうと思います。

 運営ボランティアには今回が初参加でしたが、とても貴重な体験ができたと感じています。自分より年上の大人がいる中で運営に参加する緊張感や少しの恐怖心など、普段の学生生活では学べないことが多くありました。書記役として話を即座に短く要約することも、司会役として話を聞いた後に一人ひとりに一言コメントを添えることも、難しかったですがとてもやりがいを感じられました。FUNNの皆さんの温かいフォローもあり、イベントに携われて良かったと強く思います。ありがとうございました。

③ 佐々木萌依さん

NGOカレッジのボランティア生として参加させて頂いた佐々木です。

 NGOカレッジ第3回目のテーマは『平和をつくるためのアドボカシーって?~そして私達にできることは?』でした。

 私が今回の講義を聴いて考えた「平和をつくるために私達ができること」は2つあります。1つ目はメディアと付き合う時にクリティカルシンキングをすること、2つ目は「和」という言葉の意味をじっくり考えることです。

 まず1つ目のメディアと付き合う際クリティカルシンキングをするということに関してです。情報網が発達した今の世界で暮らす私達の周りには、たくさんの情報であふれています。ミャンマーのクーデターのニュースや、ウクライナの紛争の様子も全てSNSやネットで得ます。即時性のある情報を手にするのは絶対的にSNSやテレビが早いですが、全てを鵜呑みにしないようにしないといけないと思いました。第3回のNカレの中にも、講師の先生方が今ある情報を鵜呑みにせず、批判的に物事を見て問題意識を持ち、行動に起こされている事例がいくつかありました。例えば、木口さんの「イェタグン・ガス田開発事業に対する資源援助は、ミャンマーの国軍の後押しをしてしまったのでは」と言うお話では、現状の状況を分析し、クリティカルに見たから出てくる意見でしたし、楠原さんの「実はODAの活動で傷つく人がいるのでは」という視点もクリティカルシンキングだと思いました。物事はまず知ることから始まると思いますが、正しく知るためにはクリティカルシンキングが必要です。クリティカルシンキングをするには、1つのソースだけでなく、複数の場所から情報を得て、比べる必要があると思います。なので、入ってきた情報を鵜呑みにせず、まずは一旦立ち止まって「この情報って本当に正しいのかな」と考えるようにしたいです。

 次に2つ目の「和」という言葉の意味をじっくり考えることに関してです。講師の方にお話して頂いた後、私達は自分達には何ができるかを考えました。その時、私と同じグループにいらっしゃった方が、自分達には何ができるかを考えるキーワードとして『平和の「和」について考える』と仰っていました。「和」という漢字の辞書的意味は、”おだやか” や ”のどか”という意味に加え、”なかよくする” や ”争いをおさめる”といった意味があります。今の世の中は和という言葉に等しい状態にあるのかと考えると、そうではないかもしれないと思いました。簡単に使いがちな「和」という言葉ですが、じっくりじっくり考えると平和な状態に近づけるために重要な洞察を得られそうな深い意味ある言葉だなと気づかされました。どのような状態であれば和になるのか、どうしたら和に近づけるか深く”和”について考えていくことは、和の状態を作り上げるためには和が何かを知ることから始まるかもしれないと思ったので、自分の中でもっとじっくり和について考えてみようを思いました。

 また、私は今回のNカレのボランティアで初めて大人の人がいるグループの中でファシリテーションをしました。サークル活動のミーティングなど同世代の人の中でファシリテーションをする機会は度々あったのですが、知識経験が豊富な大人の方が何名かいらっしゃる中でのファシリテーションは難しさを感じました。自分が今まで考えたことのなかった視点からの意見がたくさんあって面白かったです。今回の講座を通して新しい知識を得ることができたこと、新しい経験をできたこととても嬉しく思います🌼

④ 岡本遥香さん

第21期NGOカレッジ第3回では、NGOメコン・ウィッチの木口由香さん、アジア開発銀行福岡NGOフォーラム(以下FNAと表記)の楠原圭子さん、フレンズ国際ワークキャンプ(以下FIWCと表記)九州の塩塚洋平さんからお話を伺いました。

 木口さんは、経済支援が平和構築を妨げている可能性がある例として、日本の経済支援とミャンマー国軍に関するお金の話や、メコン・ウィッチが行っているアドボカシー活動について、楠原さんはFNAが行っている様々なアドボカシー活動の具体的な方法について、塩塚さんは国際協力について学生として思うこと・できること、そしてその取り組みについてなど、たくさんのことをお話くださいました。どの講師の方のお話も非常に学びが多く、考えを広げ深める機会になりました。

 そんな中でも、私が第21期NGOカレッジのテーマでもある「平和のつくり方」について最も考えるきっかけになったのが木口さんのお話です。

 木口さんのお話は、私たちのお金が税金などとして私たちの手を離れた後、ミャンマーの国軍を支えてしまっているというお話でした。このことは聞いたことがありましたが、詳しくは知らず、また正直なところ、これまで知ろうとしてきませんでした。しかしこの「無関心」が私の、そして多くの人々の問題点なのだと感じました。この「無関心」はミャンマーの現状についてだけでなく、他のあらゆる日本の姿勢についても言えると思います。今回のお話について言えば、ミャンマー国軍に日本の経済支援のお金が流れてしまうのは、私たちが意図してのことではありません。しかし意図しなくても日本はミャンマーの平和を遠のかせているということは事実です。そして、この問題を解決できるかできないかの一つの分かれ目が私たちの「関心」だと思います。多くの人が日本のお金の使い方に無関心であることで、意図してでなくとも日本のお金が平和を乱しているということは、逆に言えば私たちが税金などの使い方にもっと関心を持ち、その使い方に意見を反映させようと行動していればもっと平和をつくる使い方ができるということです。自分が国にお金を納めているという意識、そして国が使っているのは自分が納めたお金であるという意識を持つこと。そして国のお金の使い方に意見を反映させるとは、すなわち政治に参加することや、アドボカシー活動に参加することでもあります。これらは側から見ると当たり前のことであるにもかかわらず、日本では行われているとは言い難い現状にあります。他人事でなく、根本は自分事であることでさえも関心が薄いことは実は深刻で、解決しなければならない課題だと思いました。また、自分と関係することから意識することで他の人や出来事についても自分と関連させて意識できるようになれば、平和をつくることにもつながると私は考えます。

 私はもっとあらゆることを身近に、自分事として実感するために、まずは「無関心」をやめたいと思います。無理やりすべてのことについて関心を持とうとしなくても、少し立ち止まって考えてみること、そして少しでも引っかかることがあれば一歩だけでも知ろうと前進することが今回NGOカレッジに参加して私が考えた「平和のつくり方」です。

企画内では、アイデア出し以外にも当日の様々な役割を担って頂きました!この場をお借りして改めてお礼を申し上げます!

本当にありがとうございました!!

FUNNでは、国際協力に関わりたい大学生のボランティア・インターンシップを募集しています!!

FUNNは九州地域にある様々な国際協力支援団体(NGO)と一般市民をつなぐ九州で唯一のネットワークNGOです。外務省より「外務省NGO相談員」の九州ブロック担当を20年以上受託している実績から、様々な国際協力に関する質問に対する回答や、寄付先の紹介、キャリアに関する相談、国際ボランティア情報の発信、また出張講義を行って来ました。

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