「学生国際協力団体 L-inc(リンク)」の代表をしています。2015年夏にFUNNでインターンとして携わった後、この学生団体を立ち上げて活動しています。
中原さんが国際協力に関心を持ち始めたきっかけを教えてください。
アメリカ留学中に訪れたメキシコでの経験が大きなターニングポイントでした。メキシコとアメリカの国境沿いの町で学校建設のボランティアに行った私は、2国間の経済的な格差に衝撃を受けました。
どういったことに衝撃を受けたんですか?
アメリカ側には高層ビルや大学などの機関がきれいに立ち並んでいるにも関わらず、一度国境を越えメキシコに入ると、インフラ設備は十分に整っておらず、治安も悪く経済的理由で小学校に通えない子ども達が大勢いるのです。国境を境に、生まれた場所が違うというだけで人々の生活がこうも変わってしまうのはおかしいのではないか。この差を生み出しているのはいったい何なのか。この経験は貧困解消や不公正を取り除いていくために私に何かできないかと考えるきっかけとなりました。
「学生国際協力団体 L-inc」について詳しく教えてください。
FUNNでのインターンを経験し、そこで気づいたことは「学生で国際協力に関心を持っているといっても実際に自分で動き出して活動している学生は極めて少ない」ということ。実際に海外に行かなくても身近にできることはいっぱいあるはず。それをもっと発信していきたい、そんな思いでこの団体を立ち上げました。具体的には、毎月テーマを決めて勉強会を開催し、ゲスト講師からの講演で現状を知る機会と、ワークショップで自分にできることを自ら考える機会を提供しています。さらに、これからは地元のNGOにインタビューをして、学生たちに紹介する活動を行っていきたいと思っています。
なぜ中原さんは国際協力へ関心を持ち続け、こうして積極的に取り組まれているのでしょうか。
今私たちはあらゆるところで世界と繋がっています。私たちの着ている服、食べているもの、旅行など様々に。そして、このように世界と繋がることで実に多くの問題を生み出していて、世界の裏側では影響を受けて生活に苦しんでいる人々がいます。しかし、私たちはそれを知ることもなくいつも通りの生活をしている。これってちょっとおかしいんじゃないかな、って思うんです。なので、私はこうした事実を少しずつでもみんなに知ってもらって、私たちには何かできないだろうかということをみんなで考えていければと思って活動しています。
最後に一言願いします!
「国際協力」って聞くとちょっと遠い話だと思うかもしれませんが、きっとそんなことないと私は思います。見えないところで必ずどこかで世界と繋がっていて、それが世界の反対側に住む人々の生活に影響を及ぼしているかもしれない。まずは、自分の身の回りのものがどこから来ているのか関心をもって見ることから全て変わってくるのではないでしょうか。私たちが少し考え方を変え行動を変えてみたら、きっとそれが今の不公正な現実を変える大きな一歩になると私は信じています。まずは身近なところから一緒に少しずつ始めていきましょう!
ありがとうございました!
今回のインタビュー:中原亮(なかはら・りょう)
学生国際協力団体 L-inc 代表
北九州市立大学 外国語学部 国際関係学科 4年